ちゃんぷるー

好きなことをつらつら綴ります。

門脈圧亢進症に対するIVR(BRTO、PTO)

お疲れ様です🍵
私は放射線技師をしており検査につく際の勉強がてら、まとめを作りました!
簡単な部分しか触れておりませんが、お役に立てたら幸いです。
間違い等あるかもしれませんので、その際は優しくご指摘いただけると嬉しいです。

 

 

<概要>

肝硬変をはじめとする門脈圧亢進を来す疾患では、門脈の血流が肝臓に流入しにくく、一部は大循環に流出(短絡(シャント)形成)することがある。
シャントが発達すると、食道・胃・直腸などの粘膜下に静脈瘤が生じ、破裂(吐下血)のリスクがある。
また、シャント血流が増加し肝臓への門脈血流が少なくなると、肝臓でのアンモニア分解能力が低下し、血中アンモニアが上昇し、肝性脳症と言われる意識障害が生じることがある。

 

  • BRTO(バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術)
    Balloon occluded Retrograde Transvenous Obliteration
    門脈亢進症による静脈瘤において第一選択の治療法。

アプローチ:大腿静脈
①エコーガイド下で下大静脈を穿刺する
②シャントの出口側までカテを持っていく
③シャントの出口側でバルーンを用いて逆行性血流を遮断する
④シャント内や静脈瘤内に硬化剤を注入する(血栓形成を促す)
※硬化剤注入後すぐには十分に血栓形成しないので、すぐにバルーンを萎ませ血流遮断を解除すると、血栓が遊離して肺塞栓などの重篤な合併症を来す可能性がある。そのため数時間はバルーンを膨らませ血流を遮断しておく必要がある。

IVR学会 B-RTO
https://www.jsir.or.jp/docs/kouhoukara/PR_PDF/Q&A/18.pdf

 

  • PTO(経皮経肝静脈瘤塞栓術)
    Percutaneous Transhepatic Obliteration

アプローチ:門脈
①経皮経肝的にエコーガイド下で門脈穿刺を行う
②静脈瘤近傍までカテを進める
③静脈瘤の供給路~静脈瘤近傍をコイル塞栓し、血流低下させる
④硬化剤を静脈瘤へ注入
⑤硬化剤の停滞を確認後に追加でコイル留置
※静脈瘤の供給路が複数本ある場合はそれぞれ同様に行う
⑥スポンジで穿刺部を止血する

IVR学会 門脈圧亢進症に対するIVR
https://www.jsir.or.jp/docs/member/hinto/23_4/23_4_42_60.pdf

 

<塞栓物質>

・オルダミン
・ハプトグロビン